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Précoce と Surdoué

「Précoce(プレコス)」とは「早熟」という意味の形容詞で、「ギフテッド」に相当するフランス語です。正確には「Enfant Intellectuellement Précoce(知能的に早咲きな子ども)」といって、その頭文字から「EIP」なんて呼ばれ方をすることもあります。

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私がフランスに住み始めたばかりの頃(10年以上前)は、「Surdoué(シュールドゥエ)」という表現をよく耳にしました。手元の仏和辞典を引いてみると、surdoué(シュールドゥエ)の定義は「IQが170以上の子ども」だそう。

ただフランス人の感覚としては、précoce(プレコス)も surdoué(シュールドゥエ)も類義語。平均より飛び抜けた知的才能を持つ子どもである、と認識されてます。

それが近年、社会が「Précoce(プレコス)」という表現に傾倒してきた背景には、ギフテッドの子どもたちの本質がより深く理解されるようになった、という実態があるからでしょうか。

「surdoué(シュールドゥエ)」は、ポジティブなニュアンスが強い言葉です。そもそも成り立ちが「sur(卓越した)+ doué(才能)= surdoué」ですから。

ただ実際のギフテッドというのは、単に頭脳明晰というだけではありません。平均的な子どもにとって当たり前のことも、ギフテッドにとっては当たり前ではなかったり。発達障害と呼ばれるような困難を抱える子も少なくないわけで。

そんな現実を踏まえて多用されるようになった「Précoce(プレコス)」。ある種のポリティカルコレクトネスとも言える、ニュートラルな表現を好む現代社会の風潮が表れてるような気がします。

by Preco-Bilingue | 2018-07-09 23:07 | ギフテッド

ギフテッドの日仏ハーフ息子を支えるフランス在住日本人母の独り言


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